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妊娠中・授乳期にとりたい栄養素

妊娠中や授乳中は通常よりも高い栄養分が必要となってきます。

中でも鉄分やカルシウム、ビタミン類は食事だけでは中々必要量が補えない事が多いです。産婦人科の母親教室などでも、栄養指導をメーカーさんと協力してサプリメントを勧めてくれる所もあるくらいです。

 

理由として、

★妊娠中はつわりなどで思うように食事が取れない方が多い。(筆者は運良く大丈夫でしたが…)

★つわりが終わったら、今度は体重管理やらカロリーやら脂肪や塩分控えめの食事やら制限が多く、その中で体に良いものを十分摂取するのは難しい。

★産後は育児に追われておにぎりやパンをかじってとりあえず腹を満たして、正直自分の栄養バランスなんて考えて作っているヒマはない!

 

などが挙げられます。もちろん、余裕のある方や料理が好きな方は色々な物を意識してバランス良く食べることで補えるとは思います。

 

では次に、食事だけでは取りにくい栄養素や積極的にとって欲しい栄養素を妊娠中と授乳期に分けて紹介していきます。

 

 

●鉄分…妊娠初期の推奨量1日9mg、妊娠中期後期の推奨量1日21.5mg、授乳期の推奨量1日9mg。食品での摂取上限は1日40mg

言わずと知れた鉄分ですが、ひじきやほうれん草といった植物性の鉄分ですと体への吸収率が悪く、動物性のレバーや赤身の魚などで摂取することも中々大変です。

筆者も29年生きてきて貧血とは無縁の血色の良い人種でしたし、妊娠が分かってから鉄分の入ったサプリメントを飲んでいたにも関わらず、妊娠中期ごろの検診で貧血と見なされ(なお、自覚症状はなし)鉄剤を二週間処方されました。

そして出産時の出血量はさほど多くなかったものの、産直後の検診でも貧血を指摘され、またもや薬を飲むこととなりました。

 

案外自覚症状が無くても妊娠中(特に中期後期)は貧血になりやすいものです。サプリメントだけでなく食事も意識して貧血対策に取り組んでいきたいですね。

また貧血になったということは、体内の鉄の貯金(貯蔵鉄)も全て使い果たしてしまっている状態です。貯蔵鉄があると、鉄分の少ない食生活を送っていてもそこから補うことができます。

この貯蔵鉄が回復するまでは、十分な鉄分を約6ヶ月ほど取り続けないといけません。

なので、本当は薬を二週間飲むだけでは不十分ですが、産婦人科でそう長くは処方してもらえません。
女性は男性より貧血になりやすいため、産後も意識して(とくに授乳している場合)貧血対策を取り入れた食生活を送ることが大切ですね。

 

 

●カルシウム…推奨量1日650mg(妊娠・授乳関係なく)、上限1日2500mg

妊娠中は女性ホルモンが大量に生産されるため、骨粗鬆症になるリスクは少ないのですが、十分にカルシウムを摂取できていないと、母体の骨からカルシウムが溶け出し、胎児に移行するので、やはりしっかり取る事が必要です。

反対に産後や授乳期は女性ホルモンの分泌が減るため、骨粗鬆症になるリスクが少しあがります。授乳期が長ければ長いほど、生理開始時期も遅く女性ホルモンの低下している時期が長いためカルシウム不足を避けないといけません。

牛乳や魚が苦手という方はサプリメントの力を借りたり、カルシウムに特化したウエハースなどもあるので試してみるとよいでしょう。

 

 

●葉酸…妊娠1ヶ月前と妊娠中の推奨量400μg、上限1000μg。

最近、CMでも見かけるほどになった妊娠と葉酸の関係ですが、最近の研究では妊娠する1ヶ月前から葉酸を1日400μg摂取する事で先天性の神経障害を予防することができるといわれています。

葉酸は熱に弱いため、中々食事中に摂取する事が難しい栄養素です。
これが、妊娠を望む女性と妊娠中に葉酸のサプリメントを取った方が良い理由です。

 

 

●ビタミンB群

妊娠授乳関係なく必要ではありますが、特にビタミンB群に関しては妊娠中と授乳期で多目にとりたい栄養素です。
肉、魚、卵、野菜、果物などをバランス良く食べる事で補えますが、妊娠サプリメントなどにも入っているので、不安な場合は補ってみると良いですね。

 

 

最後に、サプリメントによく含まれている栄養素のうち、1日摂取量の上限がある栄養素(つまり取り過ぎは禁物)があるので、それだけ紹介しておきます。

●ビタミンD…1日100μgが限度。

ビタミンDはカルシウムと合わせて摂取するとより良い骨の形成に繋がるため、カルシウムサプリメントに含まれていることが多いですが、取りすぎると血中のカルシウム濃度が高くなり、まれに便秘や悪心、脱力感などを引き起こす事があります。

 

 

●ビタミンA…通常の人で1日2700μgが限度。妊娠中は多くても1日700μgまでが限度となっています。

これは妊娠初期中期では多量に摂取すると奇形になる可能性が僅かながらあるからですが厚生省のデータでは1日3300μgをずっと取り続けた結果の報告とのことなので、そこまで神経質にならなくても通常の食事だけなら気にしなくてもよいでしょう。

ただし、豚鶏レバーやうなぎにはビタミンAが多いので妊娠中は注意です。
レバーは好きでは無い限り沢山食べる機会はあまりないかと思いますが、うな重で約1000~1500μg前後のビタミンAがと入っています。

が、上記のようにあくまでも過量摂取をずっとし続けた結果のため、1日くらい好きなうなぎを食べたからといって落ち込まなくても大丈夫です。むしろ我慢してストレスになるより、たまには好きな物を食べて解消したほうが良い妊婦生活を送れるでしょう。

 

 

ここで、紹介した栄養素は食事だけでは上限に達することはまずありません。

サプリメントを2つ以上合わせてのんだり、他に飲んでいる薬が有る場合は少し注意が必要ということです。

 

この他にも上限のある栄養素はありますが、あまり妊婦用サプリメントには含まれてない、かつ過剰摂取してしまうリスクはあまりないため、心配はいらないでしょう。

 

以上、妊娠中・授乳期にとりたい栄養素と少し注意したい栄養素の紹介でした。

上限量などの参考:「すぐわかる 栄養成分ナビゲーター(グリコ)」より